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岐阜の縫製業界の現状
日本の縫製業はここ数十年で大きく縮小し、岐阜の縫製工場もその影響を受けています。国内アパレル生産量は過去20年で約6分の1にまで減少し、現在では国内生産は全体のわずか1.5%に過ぎません¹⁾。これにより、低賃金や労働力の確保が大きな課題となっており、縫製業界全体の未来が危ぶまれています。
縫製工場が抱える課題
賃金と人材確保の問題
国内の縫製工場では、主要国と比較して賃金が安く、技術者の確保が困難になっています³⁾。さらに、労働条件の厳しさも加わり、次世代の技術者が育たない現状が続いています。このままでは、貴重な縫製技術が失われるリスクが高まります。
岐阜のサン・クリークでも、このような現状を少しでも変えるべく、残業時間の削減や仕事間の休憩時間の導入、賃金UPなど、従業員を第一に考え、労働環境改善に向けた取り組みを進めています。また、それにより業界全体の「ブラック企業」のイメージ払拭にも貢献したいと考えています。
生産量の低下と競争力
日本のアパレル生産が大幅に減少し、海外生産との競争がますます激化しています。また、岐阜の縫製工場でも、国内での生産コストの高さが課題となり、競争力を維持することが難しい部分もあります。それにより、コスト面での不利が、さらなる国内縫製業界の縮小を招く可能性があります。
未来への取り組みと展望
労働環境の改善と技術者育成
日本の縫製業が再び競争力を持つためには、まず労働環境の改善が急務です。賃金の見直しと若手技術者を育成するためのプログラムを導入し、次世代の縫製技術の担い手を増やすことが重要だと考えます。
サン・クリークでも新たな人材育成を進めています。また、国内のアパレル業界全体で「生産回帰」が話題になっていますが、現場では依然として生産力が不足している状況です¹⁾。そのため、外国人技能実習生に頼らざるを得ない現実も続いています。
新たな価値の再発見
海外生産への依存が進む中、国内の縫製工場は今、新たな価値を見直す動きが広がっており、コロナ禍を契機に、輸送コストや品質管理の観点から、国内生産の強みが再評価されています。
岐阜の縫製工場は、小ロットでも高品質な生産ができ、徹底した納期管理という強みを活かし、「MADE IN JAPAN」「MADE IN GIFU」としての価値をさらに高め、広めていきたいと思っています。
世界に注目されるためには
日本の縫製業が再び世界市場で注目されるためには、サステナブルな生産体制だけでなく、ニッチ市場やブランドとのコラボレーション、ブランドストーリーなど、技術力の差別化やグローバル市場へのアプローチも重要だと考えています。これからも、高品質かつ迅速な生産を維持し、国内外と連携することで、もっともっと「MADE IN JAPAN」を広め、競争力を高めることが求められています。
まとめ
岐阜の縫製業界は、賃金や人材不足といった課題に直面しているものの、「MADE IN JAPAN」「MADE IN GIFU」としてのブランド力を活かすことで、新たな成長の可能性を掴むことができます。
労働環境の改善と技術者の育成を通じて、国内縫製業が再び、世界で注目を集める未来が訪れるかもしれません!
参考リンク
1)WWDJAPAN: アパレル国産比率の低下
URL: https://www.wwdjapan.com/articles/1530087
2)経済産業省: 2030年に向けた繊維産業の展望
URL:https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220518006/20220518006.html
3)日本繊維産業連盟: 繊維産業の現状
URL: https://www.jafic.org/pdf/Current_status_of_the_textile_industry.pdf
この記事を書いた人
小木曽 晴美
縫製業界25年以上|累計縫製件数3500件以上
岐阜の縫製工場「サン・クリーク」の代表取締役として、理想の服づくりをお手伝いしております。専門知識や経験をもとに、岐阜で縫製をご検討する方に向けたお役立ち情報をご提供します。