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【縫う前に、すでに始まっている「品質管理」 】岐阜縫製工場/サン・クリーク

目次

サン・クリークの見えないこだわり

「縫製がしっかりしている」「仕上がりが美しい」

そんなふうに評価される服は、実は縫う前から“品質管理”が始まっていることをご存知でしょうか。

岐阜で婦人服を手がける有限会社サン・クリークでは、

縫製に入る前の「裁断」と「仕分け」の工程に、特に強いこだわりを持っています。

どちらも表に出にくい工程ですが、始まりから丁寧に行うかどうかで、最終的な仕上がりが大きく変わってくるのです。そんな裏の現場をお伝えできればと思います。

裁断:ただ「切る」だけじゃない、服のベースを整える工程

裁断とは、1着の服をつくるために必要なすべてのパーツを生地から切り出す作業です。聞くとシンプルに思えるかもしれませんが、実際には非常に繊細な判断と技術が求められます。

サン・クリークではまず、

生地の性質(柄の向き、地の目、毛並みなど)をしっかり確認。

型紙や加工指示書も、事前に何度もチェックします。

特に用尺(生地の必要量)は、図面と実際の生地幅でズレがあることも少なくありません。だから現場では、目の前の生地に合わせて“型入れ”を緻密に調整していきます。

型紙の間隔を5mm以内が当たり前。これは熟練の感覚が必要な工程です。

また、急な指示変更やバンド対応にも柔軟に応じられるのは、CADでは難しい“人の技”の領域です。

仕分け:一枚ずつ確認する、縫製への橋渡し

裁断が終われば、次は仕分けです。

ここでは、切り出したパーツを一枚ずつ手に取り、1着分ごとにまとめていきます。この“1着ずつ”というやり方に、実は大きな意味があります。

それは、

✅すべてのパーツを目視確認できるため、生地の傷やミスが発見しやすい

✅ホール位置の印付けやパーツの枚数チェックなども、すべてこのタイミングで正確に行えます。

さらに、柄物の服では柄合わせが重要になりますが、

サン・クリークでは裁断時の積み順どおりに組み直すため、縫製時にズレが起こりにくいのが特徴です。

この一着ずつの仕分けは、

サン・クリークが大切にしている「一人一枚縫い」のスタイルを実現するための前提でもあります。一着の流れを最初から最後まで通して把握できるようにすることで、トラブルの少ない縫製環境が整います。

縫製後にも続く、早い段階での“目”による確認

実は縫い終えたあとも、サン・クリークの“品質管理”は続きます。

最初の1枚、そしてその後の数枚ごとに確認。

必ず社長自らが加工指示書を確認しながら、仕上がりや指示どおりかどうかをチェックします。

ここでミスや違和感を早期に発見できれば、すぐに修正ができ、大きなトラブルを防ぐことが可能になります。

これは、すべての服を自社で一貫して生産しているからこそ実現できる体制。

現場をよく知るトップ自らが責任をもって確認することが、サン・クリークの信頼の理由でもあります。

見えない仕事が、信頼をつくる

服づくりの現場には、目立たないけれど重要な工程がたくさんあります。裁断や仕分け、そして縫製後の早期チェック。これらはすべて、表に出る前に「品質」をつくる仕事です。

サン・クリークが大切にしているのは、「縫う前から、品質管理は始まっている」という意識と体制。

これが、たとえ見えない部分であっても、長く愛される服を支える大きな力になっているのです。

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