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それって日本製なの?
私は技能実習生と共に30年近く縫製工場で、ものづくりに携わってきました。その経験から、今日は少し立ち止まって考えてみたいことがあります。
「外国の人が作ってるのに、日本製って呼んでいいの?」
時々、こんな声を耳にします。確かに、そう思われる方の気持ちもわかります。
でも、本当にそうでしょうか?

日本の縫製の現場では、いま何が起きているのか
いま日本の縫製業界では、”深刻な人手不足”に直面しています。
技術を持った職人が減り続ける中でも、機械だけでは対応できない工程が数多く残っています。
サン・クリークの縫製工場では、
丁寧かつ正確な裁断をし、一枚縫いで仕上げ、一点ずつ「目」と「手」で確認をして、企業・メーカー様を介してお客様に製品が届けられています。
そして、数々のアイテムを生産可能にしているのは、熟練の職人と若い実習生が力を合わせているからなんです。
弊社は、日本人従業員より海外の技能実習生が多く在籍しています。そして、彼ら技能実習生の手を借りることができているおかげで、スムーズに生産を可能にしています。
すべての工程を日本人だけが担わなければ「日本製」ではないのでしょうか?
「日本製」の本当の意味
30年の現場を通じて、私はこう考えるようになりました。
「日本製」とは、”誰が作ったか”ではなく、”どんな考えで作られたか”が大切だと思います。
技能実習生の方々が日本の技術を学び、日本の品質基準に基づいて製品を仕上げる。
そこで代表の私が実習生を1人ずつ直接指導し、品質を管理しています。
また、一人一枚縫いを実現することで、生産時のミスがあったときも、個々に再指導もしやすく、柔軟な生産管理もできるのもポイントですね!
日本の技術基準で、日本の品質への想いを込めて作られた製品。
それこそが「日本製」の本質ではないでしょうか。

国境を越えて広がる縫製技術
現代の縫製工場は、もはや1つの国の中だけで完結する場所ではありません。生地は海外で織られ、ボタンは別の国から届き、そして技術は国境を越えて共有されています。
大切なのは「誰が」ではなく、「どんな基準で」「どんな想いで」縫うのかということ。と私は思います。
私たちが常に心がけているのは、「任せっきりではなく、一緒に作り上げる」という姿勢です。
共に学び、共に育つ現場から
技能実習生にとって、日本で学ぶ技術は母国に持ち帰る宝になります。私たちにとっても、彼らの真摯な姿勢や新しい視点が、工場に活気をもたらしてくれます。
これは単なる労働力の補完ではありません。技術を伝え、共に成長する。それは、人と人との信頼関係そのものだと考えています。
言葉が通じなくても、一緒に一枚の服を仕上げる。
その過程で生まれる連帯感こそ、ものづくりの原点だと感じています。
30年間で見えてきたもの
30年間を振り返ると、技能実習生の方々と共に築いた環境こそ、これからの「日本的ものづくり」の形だと感じます。
日本の技術や品質への誇りを守りながら、国籍を超えて信頼と協力を育てていく。
「日本製だから日本人だけで」ではなく、「日本の技術を共有し、共に誇れるものを作る」。
この発想こそ、これからの時代に必要なのだと思います。そしてこれからも、サン・クリークは日本の縫製の誇りを胸に、世界と共にものづくりを続けていきます。

この記事を書いた人
小木曽 晴美
縫製業界25年以上|累計縫製件数3500件以上
岐阜の縫製工場「サン・クリーク」の代表取締役として、理想の服づくりをお手伝いしております。専門知識や経験をもとに、岐阜で縫製をご検討する方に向けたお役立ち情報をご提供します。
